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良好なパフォーマンスのファンド

せっかく投資するのですから、投資信託を購入する時には良いパフォーマンス(運用実績)の期待できるファンドを選びたいものですね。一概に良い運用実績といっても、インデックスファンドはベンチマークと同じように動いているものが良いファンドであり、アクティブファンドの絶対リターン追求型は自らが掲げる目標収益を達成しているものが良いファンドです。これらはあまり問題がありませんが、もっともパフォーマンス評価が難しいのが、日本の投資信託の多くを占める「アクティブファンドの相対リターン追求型」です。

アクティブファンドの運用成果を見る時に、ファンドの上昇率ランキングを見て、単純に一番値上がりしているのが良いファンドであると考えてしまう場合が多いのですが、実は、その選び方では逆に痛い目に遭うことが少なくありません。それでは、どんな点に気をつけてパフォーマンスを見ていけばよいか説明しましょう。

パフォーマンスが良いファンドとは…

今から買う投資信託を選ぶということは、将来的に良い実績を生み出しそうなファンドを選ばなければなりません。しかし、将来どんな実績になるかは誰にも分からないことです。そこで、今分かっていること「過去のパフォーマンス」から将来の実績を推測していくことになるのです。

ファンドの運用を担当するファンドマネージャーが交代すると、運用方法がガラっと変わってしまい、過去の動きが参考にならない場合があります。しかし、日本の投資信託は、一人のカリスマ・ファンドマネージャが活躍するのではなく、誰が辞めても困らないようにチームで運用をしているところがほとんどです。チーム運用は、運用方法や体制が変化しづらく、したがって過去の実績が参考になると思われます。

上昇率ナンバーワンのファンドの危険性

投資信託のパフォーマンスは、よくランキング情報として提供されます。直近までの過去3ヵ月間、6ヵ月間、1年、3年、5年、10年といった期間ごとに、同じカテゴリーの中で値上がり率の大きかったものを順位づけしたものです。そして、そこで1位になると、運用会社や販売会社はナンバーワンのファンドとしてセールストークに利用したりしますし、実際、投資家からも魅力的に見えます。

しかし、ちょっと考えてみてください。ナンバーワンの値上がり率ということは、その期間、そのカテゴリーの中で一番大きくリスクを取った(一番大きく価格が変動した)ファンドということです。近い将来に、予想外の相場の下落に見舞われた場合、今度は高い確率でナンバーワンの下落率となることを警戒するべきです。仮にそのナンバーワンのファンドが神がかり的に運用のうまいファンドであるならば、過去の大きな変動の時にもうまく下落を抑えられてランクが高かったはずです。そして、それは、過去のパフォーマンスがないと確かめることができません。

今の良好なパフォーマンスが偶然ではないことを確認するために、最低でも3年以上の記録(トラックレコード)のあるファンドを選ぶことが推奨されています。トラックレコードの期間は長ければ長いほど信頼性が増します。過去に長期的に安定的な動きをしてきたファンドは将来も安定的に動くことが推測され、長期的に大きな値動きを繰り返してきたファンドは将来もリスク(価格変動)の大きな運用が続くものと考えられるでしょう。

安定した好パフォーマンスを出すファンド

長期的に、いつもカテゴリー上位の1~3位にいるような華々しい成果を出せるファンドがあればよいのですが、通常は、安定したパフォーマンスを出すファンドは、常に相場を警戒しながら運用しています。リスクの大きな集中的な投資でなく、しっかりと分散を利かせる運用は、安定を得る代わりに極めて高い上昇率は求めづらくなるものです。そこで、過去のトラックレコードを見て、いつもコンスタントに上位25%程度に入っているファンドが現実的に良いのではないかと考えられます。

ランキング、パフォーマンス情報はモーニングスター社の投資信託のページ(http://www.morningstar.co.jp/fund/)が使いやすいと思います。カテゴリー別に期間ごとのランキングを調べられるほか、ファンド検索で個別のファンドのページに行けば、上位何%に位置しているかも見ることができます。

初心者にも分かりやすいトータルリターン(総合的な収益率)の他に、標準偏差(リスク度)やシャープレシオ(投資効率の良さを表わす指標)などのランキングもあり、豊富なデータが提供されています。