追加型(オープン型)投資信託
ファンドによって、投資家が買付・解約する際の自由度が異なります。それに基づく分類が、「追加型(オープン)投資信託」「単位型(クローズド)投資信託」となっています。追加型投資信託は、ファンドの運用期間中に投資家から資金の追加を受け入れることができる投資信託です。少し専門的な言葉ですが、投資家がそのファンドを購入して、ファンドにお金が入ることを「追加設定」といいます。
販売会社(証券会社や銀行など)で「日々自由に売買できる」と謳われているファンドは、追加型投資信託です。追加設定できるのが毎日ではなく、月に1度、3ヵ月に1度であっても、運用期間中に投資家が購入することができるのであれば、それは追加型投資信託です。
追加型投資信託の苦悩
多くの追加型投資信託は、毎営業日に売買注文ができることから、投資家にとっては非常に便利です。しかしながら、ファンドを運用するマネージャーにとっては、日々の資金の出入りに注意しなければならず、資金管理とポートフォリオ維持の努力が必要です。解約されるとファンドからお金を出して投資家に返還しなければならないため、投資家の購入と解約が同じくらいの金額であれば問題ありませんが、解約が大幅に上回ると、保有する株式などを売却して資金を手当てします。また、解約対応に備えてある程度の現金をファンドに残しておきます。ファンドの月次レポートなどを見ると、株式の組入比率が100%ということはなく、90%台であることが多いのはこのためです。
このことは、投資の効率が若干低下することを意味しますが、日々売買できる流動性を維持するためには致し方ないものでしょう。インデックス型のように一部の銘柄を売ってしまうと目的が果たせなくなるファンドは、保有するすべての銘柄を少しずつ売却するなど、なかなか手間のかかる作業になります。
追加型投資信託が解約できない時
追加型投資信託もファンドを作る時には、募集期間といって運用を始める前に一般投資家から基準価額1口=1円や1口=1万円などでお金を集めます。そこである程度まとまった金額のお金として、株式などへの投資をスタートします。多くの場合、運用が始まると解約が可能となりますが、時々、設定日から一定の期間、解約できないクローズド期間を設定される場合があります。それは、新興国の株式など、一度に大量の注文を出すと株価が跳ね上がったり、大きな注文が約定できないような小さな市場を投資対象とする場合、少しずつポートフォリオを組んでいく都合から、解約を受付けない期間が必要なことがあるからです。クローズド期間の設定については、投資信託説明書(目論見書)などに書いてありますので、確認してください。
また、投資対象の国でテロなどの事件や地震などの災害で取引所が閉鎖されたり、解約に応えるだけの売却ができない場合などは、注文の受付が停止されることもあります。その場合、販売会社のホームページや窓口などで確認ができます。