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私募投信

投資家の属性や人数によって決まる分類が「公募投信」「私募投信」です。ある意味、誰でも買えるのが公募投信で、限られた人しか買えないのが私募投信です。私募投信は、機関投資家といわれるプロの法人投資家と少数の個人投資家に向けて募集されます。機関投資家向けのファンドをプロ私募、49人以下の個人投資家に販売されるファンドを少人数私募といいます。少人数私募は、参加できる人数が少ない分、1口あたりの購入単位が大きく、小さくても300万円以上、1,000万円以上も珍しくありません。したがって、いわゆる富裕層といわれる人々に向けて勧誘、販売されます。

私募投信の特徴:説明書などの作成義務がない

プロ私募は金融や投資の知識が深い機関投資家向けであり、少人数私募は、個人投資家のなかでも資金に余裕の大きい富裕層で、かつ勧誘人数が少ないために対面でじっくり説明する機会を持つことができます。そのような事情から、公募投信では項目、順序や書き方まで定められている説明書(目論見書)の作成・交付は義務付けられていません。

私募投信の特徴:運用内容が複雑

公募投信は広く一般の人が対象となっており、また、販売側でも説明義務が厳しいこともあって、あまり複雑な運用内容やリスクの高い商品は向きません。一方、私募投信では、プロ私募はプロが相手なので言うまでもありませんが、個人投資家向けの少人数私募であっても、先物やオプションを使ったリスクの高い商品や複雑な金融工学を駆使した運用手法の商品を設定することができます。内容が高度すぎて標準的なプロであっても難解なものもあり、運用手法が企業秘密であるとして開示もされない、いわゆるブラックボックスのまま購入されることもありますが、購入する投資家がリスク許容度の高い法人や富裕層であることから、問題になることもほとんどありません。

例えば、投資対象先(日本株市場など)の相場が上がろうが下がろうが、プラスの運用成果を目指す絶対リターン追求型のファンドなどは、公募投信として提供されることはほとんどありませんが、私募投信の世界では人気のあるカテゴリーです。また、公募投信のように資金の出入りが頻繁にあるようでは、このような特殊な運用はうまくいきません。したがって、私募投信の多くは、売買の機会が年に数回、多くても月に1回くらいまで、また、解約日の45日前までに連絡が義務付けられるなど、流動性には厳しい制限やルールがあるのが通常です。