REIT(リート)は、Real Estate Investment Trust(不動産投資信託)の頭文字で、投資法人に投資家が出資する形の会社型の投資信託です。REITの売買は、ETFと同じように取引所で売買されます。
REITは米国、オーストラリアやフランスなどの海外の市場では盛んに取引されており、安定的な金融商品として歴史とバリエーションが豊富です。日本の国内法に従って設立・運営されるREITはJ-REIT(ジェイ・リート)と呼ばれますが、まだ歴史は浅く、2001年に最初の2本が設立され、紆余曲折を経ながら現在に至っています。
REITは不動産に投資する投資信託ですが、収入源は、不動産の売買益のほかに保有する不動産から生じる賃貸料収入があります。このことから、REITは株式や債券にくらべて高い配当を出しやすく、好配当・安定的な金融商品として認識されています。そこで、一般の投資信託、特にバランスファンドの運用などにも、株式、債券に次ぐ第三の投資対象として、ポートフォリオに組み込まれるケースがよく見られます。
REITの売買価格は、将来の不動産価格の見通しを材料に動きます。例えば、景気の先行きや不動産特有のファンダメンタルズ(空室率、賃料の変動など)に影響されますが、さらに細かく、どんな不動産に投資するかで投資判断は異なってきます。REITの運用戦略には次のようなものがあり、それぞれに値動きやリスク度に特徴があります。
■オフィスビル特化型: 概ね景気の影響を受けやすいという特徴があります。
■商業施設特化型 : その施設のブランド力や収益力に影響を受けます。
■物流施設特化型 : 施設の利用者が大企業であることが多く通常の安定性が高い反面、その企業が倒産したり施設からの撤退があるとダメージは大きくなります。
■住居特化型 : 収益性は比較的低いものの景気の影響を受けにくい特徴があります。
■総合型、複合型 : 上記の施設を組み合わせて分散投資をしています。
REITは、不動産会社が運用するケースが非常に多くなっています。東京証券取引所に上場するREITの一覧表を見ると、積水ハウス、東急不動産、星野リゾートなど有名企業の名を冠するファンドが多くあります。そのため、不動産事業で良い条件で取引できない物件をREITに組入れて処分しているのではないか等といった良からぬ評価をされることもあり、客観的な評価体制が課題となっています。
また、REITは銘柄ごとにホームページが作られることが多く、情報提供は充実していると思われます。例えば、次のようなサイトです。
なお、REIT全体の情報収集や比較などには、REIT情報に特化した不動産投信ポータルのサイト(http://www.japan-reit.com/)などが便利です。