投資信託は「お金をプロに預けて運用してもらう」金融商品ですから、投資家は自分一人ではできない様々なことを、投資信託を通じて実現することができます。
投資信託は「お金をプロに預けて運用してもらう」金融商品ですから、投資家は自分一人ではできない様々なことを、投資信託を通じて実現することができます。
トレードを趣味として株式投資を行うのであればリスクの大きさも楽しみの一つとなりますが、着実な財産形成を目的に行うのであれば、リスクを小さくする必要があります。
複数の銘柄を買う分散投資や同じ銘柄でも回数に分けて買う時間分散などがリスク低減に有効です。しかし、個人の限られた資金量では十分に分散することが難しいこともあります。
そこで、投資信託は一人一人の個人の資金は小さくても、それを集めて億単位の金額で投資しますので十分な分散投資が可能です。日本株ファンドでも、少なくとも30銘柄以上、100銘柄以上を保有するファンドも珍しくありません。
投資信託を使うことで、多くの銘柄を購入した場合と同じ経済効果を得ることができます。
株式に投資するには企業の業績だけでなく、その産業を取巻く環境や国の経済状況を理解し、判断して銘柄を選択します。債券についても、利回り確定商品だからといってただ買えばよいのではなく、発行する企業や団体の財務状況や金利動向を確認しながら銘柄を選ばなければ、思わぬリスクを被ることになります。
しかし、こういった作業には分析する技術が必要で、知識やノウハウが身についてから投資を始めようなどと考えるといつまでも投資に踏み出せないことになります。
また、情報にしても、個人がインターネットからの情報や金融機関の資料などを集めるよりも、プロ向けのシステム端末やプロ同士の情報交換などから得られる情報の方が量・質ともに勝っています。
そこで、これらのリソースを活用するという意味でも、投資信託は有用です。
投資先が海外となると、さらに情報の収集や分析は難しくなります。また、一部の海外市場には個人がインターネットで直接注文を出せる環境がありますが、時差もあることから自分で売買するには厳しい環境のケースが多いと思います。
さらに、欧州の債券を買ってオーストラリアの通貨でヘッジするなど、複雑な仕組みの投資も、個人でやろうとすれば手続きはかなり複雑です。このように個人で直接投資することが難しい投資対象でも、投資信託なら簡単にアクセスできます。
なお、日経平均株価の値動きの2倍の値動きを狙いたい、日経平均が下がったら収益が上がる投資をしたいなど通常は先物やオプションなどのデリバティブ取引や信用取引を使わなければできない投資があります。
しかし、個人がデリバティブや信用取引を始めようとすると、金融機関の審査で投資の経験などが問われたり、その仕組みを理解してリスクの高い取引をこなさなければなりませんが、投資信託のブルベア型ファンドを購入すれば簡単です。
投資信託は、国内市場のみならず海外市場(先進国ばかりを組合わせたパッケージ、新興国のパッケージのほか、特定の国や地域など)にも投資対象を展開し、対象資産も株式、債券(国債、社債、転換社債など)、デリバティブ、不動産関連など様々です。スキームにしても、分配金を受取る回数、海外投資に対する為替ヘッジの有無、運用のタイプ(株価指数と同様の動きをするインデックス型、ファンドマネージャーの裁量で運用するアクティブ型など)等々、バリエーション豊かな品揃えが提供されています。個人投資家の資産運用スタイルに合わせて弾力的に選べるのも投資信託の魅力です。
投資信託は、基準価額(時価)が毎営業日に計算されるので、損益が分かりやすくなっています。また、運用実績として一定期間の上昇・下落率や基準価額のグラフ、投資の状況などは、多くの場合、月次レポートとしてまとめられ、毎月1回発行されています。月次レポートにはコメント欄もあり、投資対象に関わる経済や市況の状況、ファンドマネージャーの見方や運用方針などが記載されます。さらに決算ごとに作られる運用報告書には、ファンドが保有しているすべて銘柄やかかったコストなど運用のすべてともいえるデータが書かれています。
なお、突発的に大きな事件が起きた時には、早ければ発生した当日中~翌日にも臨時レポートが提供され、事件の概要やファンドに及ぼす影響などを知ることができます。投資信託は情報開示が盛んに行われていますので、状況を把握しやすいほか、これらのレポートで経済や市況について学ぶことをメリットと感じる投資家もいます。
投資信託は、時に、社会的に意味のある働きをすることができます。例えば、新興国や新興企業では、常に成長のために資金を必要としていますが、投資信託としてまとまった資金がこれらの国や企業に向かうことで、その成長の一助となることができます。また、テーマファンドといって特定の目的を持って運用される投資信託商品があります。例えば、CSRファンドは社会的責任(法令順守、環境問題や人権問題等の解決など)に積極的に取組む企業に投資するものですが、こういった企業の株式がファンドで買われて高く評価されることで、社会全体(その他の多くの会社)にもその意識を広めていこうという効果も期待できます。
このように、投資家一人一人の投資額は小さくても、投資信託としてまとまることで、社会を変えていく動きに参加することができるのです。因みに、株式市場等には、市況を動かす主体として大きく3つ(個人投資家、機関投資家、外国人投資家)に分類されますが、投資信託は機関投資家です。個人のお金も投資信託を購入すれば、プロの資金として市場を動かす大きな原動力になっています。